♪ やる気スイッチ

先日、お子さんの「やる気低下」について書きました。

 

お子さんに「やる気」を起こさせる、又はピアノの練習を習慣化させるにはどうしたら良いのか、それは多くの親御さん、そしてピアノレスナーが抱える悩みですね。

 

さて、ここに「のうだま」という「やる気」に関して書かれた漫画形式の本があります。

 

 

 

この本が言うところによると、「やる気」とは迎えに行くものなのだそうです。

 

どういうことかと言いますと、しなければならないことを前にした時に、たとえその時気が乗らなくても、取り敢えず心を無にして動いてみる、動けばそのうち脳が騙されて活性化モードに入る(やる気スイッチが押される)、ということです。

 

楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる、という発想と同じかな?

 

とにかく動かないことには、やる気は起きないらしいのです。

 

そこでハッと思い出したことがありました。

 

何年か前、やはりお子さんが練習をしないということで親御さんから相談を受けた時のことです。

 

なんでもそのお子さんは、学校帰りに学童保育所に寄るのですが、帰宅する頃にはすっかり疲れ果ててしまって練習どころではなくなるらしいのです。

 

これではピアノを続ける意味がないのではないか、という訴えでした。

 

その時の私からのアドバイスは、「まず、どんなに疲れていても、一度はピアノの前に座るようにしましょう。それで、どうしても練習できないようなら、ピアノの前に座っただけでも良しとしましょう。」というものでした。(練習しなくても良いという訳ではありません。お休みの日にはして頂きます。)

 

小さなお子さんにとって、学校、学童保育ときては体力的に大変。

 

疲れて当たり前です。

 

そんなお子さんが、取り敢えずピアノの前に座ったというだけでも、それは充分褒めるに値することです。

 

その上そこで、ほんの少しでもピアノを弾いたとしたら、それはもっともっと褒めてあげられることとなりますし、褒められたお子さんも気分がいいですよね。

 

練習しないと怒られる、より、練習したら褒められる方がモチベーションが上がるのは、私たち大人も同じです。

 

取り敢えずピアノの前に座るという提案は、ピアノの練習とは毎日欠かさずするものという意識を持って欲しかったから、ですがもう1つには、弾くまでは億劫でも、弾き出せば案外のって弾き続けられることを私自身も経験済みでしたので、その辺りを期待してのことでした。(知らないうちに「やる気スイッチ」を押す提案をしていた訳です。)

 

などということを踏まえ、「やる気低下」中のお子さんには、取り敢えずピアノの前に座ってみる、ピアノの蓋を開けてみる、ちょっと弾いてみる(好きな曲から)、をさせてみてはいかがでしょうか。

 

小さなハードルを1つ1つクリアする感覚、これならやる気低下中のお子さんも抵抗なく行えると思いますし、そんなことをしているうちに「やる気スイッチ」がONになるかもしれません。

 

それと、「その都度褒める」のもお忘れなく。(褒めると調子に乗る?いいじゃないですか、どんどん乗せましょう!)

 

もちろん「やる気低下」の原因が、別のところ(譜読みの問題など)にある場合は、そちらの対処も必要なのですが・・・

 

さて、その後そのお子さんがどうなったかと言いますと、年ごとに体力もついてきて、今では自発的に練習するようになりました。

 

練習表は毎回全丸、先日は学校のオーディションで伴奏者に選ばれ立派に弾きこなしていました。

 

今は次の目標に向かってやる気満々といったところです。

 

ご参考までに。